2種類がある介護タクシー

福祉タクシーに似たものとして介護タクシーがあります。こちらは主に要介護の高齢者向けサービスです。一般的には、運転手が介護職員初任者研修以上の資格を取得している場合に、介護タクシーと呼ばれています。介護タクシーは2種類あり、種類によって仕事内容にも違いがあります。

1つは介護保険適用の介護タクシーです。要介護の認定を持っている方でケアプランに基づいて利用ができます。利用者にとっては、メーター料と約100円をプラスすることで利用できます(1割負担の場合)。ただ担当者会議への参加や本人とケアマネジャーが予定した時間や日程に基づいて動く必要があります。そのため「明日お願いします」という予約はできません。また、主に病院受診での利用とされ、利用者から「帰りにこのスーパーに寄って」と言われても、病院と自宅の往復しかできません。また、家族が同乗することはできません。介護保険を利用する場合は、これらの注意点を利用者にも説明して理解を得る必要があります。

2つ目は自費(保険外)の介護タクシーです。自費の場合はケアマネジャーを通さず、利用者が直接タクシー事業者とやりとりして予約ができます。料金はメーター料に500円~6,000円程のプラスと介助料やストレッチャーの使用などによって幅があります。保険外なので病院受診に限らず、楽しみのための外出や理容室、冠婚葬祭など幅広く利用ができ、家族同乗も可能です。仕事をする上では幅広いニーズに対応できる分、予約の段階で身体状況や病気の把握、家屋状況などを聞き取りすることが重要です。そのうえで料金がいくらになるのかを事前に説明、同意を得ることが必要です。

同じ介護タクシーの仕事でも保険適用と保険外では仕事内容が違い、本人や家族への説明も変わってきます。自費の場合は特に一から状況把握が必要なためトラブルにならないよう正確な把握と説明に努めることが大切です。